右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

「自分の世代」と「他の世代」を繋げることで解決できる社会問題

今日は、SVP Tokyoさんのネットワークミーティングに参加してきました。

とても興味深い議題でして、それが、表題にある「自分の世代」と「他の世代」を繋げることで解決できる社会問題についてです。

このテーマに関連した3つの団体の代表が話をしてくれました。

まずは、ArrowArrow さん。

女性は、赤ちゃんが出来るという大イベントがあります。
それにより、3つの不安があると言います。

  • ライフステージが変わることへの不安
  • 「私」として本音を話す場の少なさ
    • 誰々のおかあさん という形で語られるようになる
  • キャリア転換の機会の少なさ


このような不安に対して、ざっくり言うと、「コミュニティ化」して、不安を解消しようという取り組みです。その他、企業側に女性の声を伝えることで制度を変える、いわゆるコンサルティングのようなこともやってるみたいです。

たぶん、職場の友達にも話しづらいし、大学からの友達には良く知ってるからゆえに話しづらいという特有の悩みを共有できる場というのはとても価値が高いだろうと推察できます。


ただ、如何せん、ビジネスにはしにくい。お母さんたちを、例えば100人ネットワーク化したとして、会費は10000円なので、年間100万円です。企業のコンサルというところで稼ぐしかないです。人事部のバジェットをつかい、女性の有効活用化というプロジェクトを廻せるなら、良いかもしれません。

あと、ちょっと面白かったのが、数人でチームになって話したときに出てきた話題なのですが、看護婦さんとか薬剤師さんは有給休暇中に、最新の知識の勉強をしておいて、有給休暇から復帰後、すぐに戦力となれるようにしているとのこと。「この知識を押さえておけばよい!」ということがわかりやすい業種は、そのようなことが仕組み化しやすいかもしれないですね。

一方で、営業や企画など、「実戦の勘」が重要な職種は、有給休暇中に「素振り」をすることは難しいかもしれません。



二つ目は、かいほの家というもの。

彼が面白かったのは、ビジネスはなんでも良かったという点。
その中で必要とされるものをやろうと思ったときに、福祉と思ったと。
確かに、少子高齢化が生み出すものの中でも、労働者人口の減少は顧客もサービス提供者も減るのでなんとかなりますが、介護は顧客が増える一方という問題があります。
この問題に対して、介護施設と保育施設をくっつけるというビジネスを展開します。

おそらく、サービス提供者(ここでいうと保育士のママさんとか)の効率化もできますし、施設も効率化できる。それによって、ビジネスプランとして成り立ちますし、無駄な税金をなくすことができます。加えて、老人には認知症が改善する効果、子供には社会性(人を思いやる)が増す効果があるといいます。

すでに20箇所出来ているらしく、とても楽しみな業態です。

そうそう、彼が言っていた、二宮尊徳の言葉がとてもすてきでした。

道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である

これは、本来経済を優先すべき、ビジネスであっても、おこりがちなことですし、社会起業ならなおさら・・・なんでしょうね。ぶっちゃけ、この感覚が分からないヒトが多いから、社会起業というのはちょっと敬遠するところがあるんですが。



三つ目は、シェアハウスを経営しているナウいです。

同居させようとしているのは、シングルマザーと、マンションを持った独居老人。
たしかに、シングルマザーは、働きに出かけている間、ベビーシッターさんを雇う必要があり、とてもコストが掛かると思います。一方で、独居老人は「誰からも必要とされていない」ということを感じるわけです。で、むりやりに、老人ホームに入ったりする。


昔の大家族のように、長屋のように、助け合いが出来たらいいじゃない というコンセプトはとても気に入ってます。

こういう話って「相手が信頼できるのか?そもそも、この斡旋業者も信頼できるのか」というハードルがあって、苦労すると思います。でも、結局は、今の課題の「切実さ」がそのハードルを越えてくれると思います。


それより何より、リーチをどうするか、ですね。
特に、インターネットも持たない老人にどうアプローチするか。 ですね。
宅配サービスのチラシに入れるとか、あとは息子世代からアプローチするとかですかね。自分の親を「独居」させていることに、どこかしら負い目を持ってるはずですからね。


ということで、この3団体の話を聞いて思ったこと。
小規模なコミュニティは来るな、と。

「世代を繋げる」というと、大きすぎて難しいと思うのですが、

  • 同じ悩みを持っているから、共有したい!
  • 私も同じ悩みを抱えてた!解決法を共有してあげたい!

というように、悩みについて、様々なモデルケースがあれば救われることって多々あると思うからです。

問題は、「そのような仲間をどう見つけるか」です。
ひとむかし前ならば、mixiのコミュニティなどがそれにあたるのかもしれないですが、もっと、トリガーが引っかかりやすかったり、幅広かったりというものな気がします。なんとなく、ちきりんさんがやってた、ワークシフトのソーシャル読書会に、その可能性を感じたのですが。どうなんでしょう。

自分の興味がある議題を見つけられて、そこで議論できるプラットフォームを作る意味ってあるんじゃないでしょうか。


この議題はまた考えていきたいですね。