右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

人生は無駄なものでできており、その無駄を効率的に得られる場所が本であり、本屋である『なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか』嶋 浩一郎

奥さんや奥さんの妹から、本を買うなんてもったいない、図書館に行けばいいと
なかば僕の職業を否定されるようなことを言われる日々ですが、どう言い返せばいいのかなと
思っていたので、ぴったりでした。

人生は無駄なものでできており、その無駄を効率的に得られる場所が本であり、本屋であるというのが
たぶん言いたいことだなと。

本屋とは効率的に無駄に出会える

本屋は、気づかなかった関心、すぐに役立つわけでない無駄に出会える場所であると説いてます。

まるでガウディの建築のようです。
たった数冊の本が売れて、そこに補充することで、大きく見れば在庫はほとんど動いていないにも関わらず、その本屋さんの表情は大きく変化して感じられるのです。このように日々、〃本屋さんでも表情は変わっていって、新たな魅力や気付かなかった自分の関心を発見できるかもしれない。そういう楽しみがあるのです。

ネット書店はほしいものがみつかるのに対し、本屋は何がほしかったのかがわかるということになる。

本屋の棚の前をうろうろするのは、膨大な無駄な知識の世界に自分が浮遊しているような感じで、それは純粋に楽しい。アイザックアシモフは人間は無駄な知識を得ることで快感を覚える唯一の動物であるといったように、無駄は人間の特権です。

ビックロのキャッチコピーは素晴らしきゴチャゴチャ感。それはそのまま本屋にもあてはまる。

本屋の特徴は文脈棚である

本は、集合知的、レコメンド、自分の嗅覚の3つで探すものであり、自分の嗅覚で探すのがやりやすいのが町の本屋であり、優れた本屋であると説いています。

一人のマニアの人が書棚をつくると、敷居が高くなってしまい、お客さんから見たらバリアのある棚になってしまう。
恵文社には、棚担当が明確に決まっているわけではなくて、一つの棚を複数の人がいじっていくということをやっているそうです。
そうすることによって、多様な視点がいりこんで、いろいろな人にひっかかりをもたらすことのできる書棚になるわけです。

恵文社の平積み台には毎回何かをテーマにしている場所もあります。
そのテーマも植物をテーマにしていたり、時間をテーマにしていたりと、行くたびに変わっています。
時間というテーマだったら、物理学や哲学など、ふだん読まないような本がある一方で、その中心には、必ずみんなが知っている本が置いてあります。本川達雄さんのゾウの時間ネズミの時間もあるし、ミヒャエル・エンデのモモもあるし、スタンリーキューブリックが映画化した時計仕掛けのオレンジもあるといったように、誰もが知っている敷居の低い本から始めるのです。

キリスト教の本のとなりに、修道院がつくったワインの本があって、そのほんの横にチーズの本、発酵食品つながりで菌類がキャラクターとして登場する漫画といった感じ。同じ著者、同じテーマ、同じ読書層という鋳型にはめられてしまうのではなく、孫の手のようにかゆいところに手が届くというか自分の興味のひっかかりをうまく探り出してくれるようなところがあるのです。


そもそも本とは話題と話題を粘着させる力を養うことに意味がある

なぜ無駄なものが必要か?
クリエイティブな仕事をするからだ。
クリエイティブとは、知識同士の新しい結びつきである。
それは、日ごろから本を読んで、新しい棚を自分の頭に作っておく必要があるんだと思う。


本を読むときのコツのひとつに併読がある。異なる本に書いてあることがおもいがけないところで結びついたりする。
あるいは同じ一つのものを違う視点から見ることができる。話題と話題の粘着力をみにつけることによって、いろいろな人の感情に訴えられるようなたとえ話をたくさん持つことができるようになる。

最近は知りたかったことを知るに偏りすぎている。知らないことをしることは、読書でしかできない。

16世紀、ローマ教皇ユリウス2世がミケランジェロシスティーナ礼拝堂の天井画を依頼しました。
もちろん、そうしたものにはお金がかかりますから、ローマ教会は免罪符を売って金儲けに走ります。それに憤慨したルターはカトリックに対抗し、プロテスタントを興します。このプロテスタントの増加を恐れて、スペインのフェリペ2世が作ったのが、イエズス会です。イエズス会の宣教師フランシスコザビエルは日本にキリスト教とともに唐辛子をもたらしましたその唐辛子を豊臣秀吉朝鮮出兵の時に朝鮮半島に伝えて、そのことで辛子明太子が誕生した。

これら一つ一つはそれぞれ別の本で得た知識です。あるときそれらが本棚の中で、つまり自分の頭の中で結びつくのです。