右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

戦略コンサルに受かるためのビジネスケースの解き方

友達が、戦略系コンサルへの転職を考えているらしく、彼に対し、ビジネスケースの解き方を話したので、纏めておく。よく考えると、ビジネスケースを解くって、ディベート思考が必要であり、ビジネスマンとして基本的なスキルが磨かれると思います。

お題はこんな感じ。

あなたは日本の化粧品メーカーです。中国に進出しようとしてますがどのような戦略を取りますか


友達の答えはこんな感じ。

  • 市場を見ると、化粧品が買えるような収入を持ったヒトを狙います。化粧品なので、女性ですね。まずは化粧品でも、市場が大きい基礎化粧品を出します。
  • 競合は、欧米中のメーカーだと思います。日本製なので製品の品質の良さを打ち出します。
  • プライスは、ある程度高い値段ですかね。
  • プロモーションも積極的に打ち出します

これだと、

  • 話がつながってないなぁ
  • なんか仮説がないなぁ。具体的なお客さん・競合がイメージできない

と感じませんか?


やはり、ビジネスを考える上では、顧客・競合・自社が基本です。その中でも、ビジネスケースに限って言えば、顧客と競合が重要。というのも、ビジネスケースでは自社の情報ってそんなに明かされているわけではなく、今回の場合も「日本の化粧品メーカー」であることくらい。

  1. 魅力的な顧客は何処にいるのか?
    1. どこで市場が伸びている?伸びている要因は、顧客数?一人当たり売上?
    2. その人たちってどんなヒト?
  1. で、そのお客って何を求めている? ⇒ その事業で成功するためのキー
  1. 競合は?
    1. キーを持っている競合はいるか?
    2. キーを持っていないとしても、スイッチングコストが高いとかないか?
  1. 上記を踏まえると、基本戦略(誰に、どんな価値を提供)を取るべきか? が分かります。すると、自然と4Pに落ちていくわけです。


僕なら、さっきのお題はこう答えます。

  1. 中国では、超大金持ちに加え、今、小金もちが急速に増えてます。彼らは、日本に追いつけ・追い越せで所得を伸ばしてきた人々であり、日本への憧れがあります。彼らのような人々はこれからも増え続けると言われています。このようなヒトをターゲットとします。
  2. というのも、やはり、化粧品はブランドが命。さきほどの小金もちは欧米の化粧品しか見向きもしませんが、小金もちたちは日本の化粧品ブランドが大好きです。貧しいヒトは買う金がない。このような市場環境から、小金もちをターゲットとするのです。
  3. 競合相手となるのは、小金もちたちがいままで使っていた中国製の化粧品です。でもスイッチングコストが低いので、どんどん代替できます。あとは、同じように中国に参入しようとしている日本メーカーは競合ですね。ただ、想定としてはうちは日本で有数なメーカーなので、大丈夫です。
  4. 従って基本戦略としては、欧米のブランドより安くはしつつも、これまでの中国メーカーのものよりはかなり高くして、ブランド力をアピールします。またプレース・プロモーションは、日本で言うところのいわゆる銀座のような場所での積極的なPR展開をします。ちょうど、ユニクロが中国で高級ブランドとして認知されたようなイメージで展開します。製品は、「日本ではこれが流行っていること」を押し出す意味でも、あまりテイストを中国のメーカーのものに似かよらせるのではなく、そのままで良いと思ってます。


大切なのは、枠組み。
枠組みがないと、議論したことが積み重なっていかない。

そして、常識とこれまでの経験をこねくり回した想像力を利用して仮説を作ればよいわけです。