市図書館をTSUTAYAが経営ってビックリした。
ちょっと世間を賑わしているこのニュースについて、ちょっと意見を述べたいと思います。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120505-OYT1T00078.htm
NEVERまとめとかで論点が載ってるんだけど、大まかには以下の3つかな
- 貸出履歴は、特定個人と結びつけた瞬間に「読書傾向」として個人の思想信条を示す情報となる。それを一企業に渡してよいのか?
- TSUTAYAでもTポイントカードを「出さない」自由があるのに、武雄市図書館はその自由もなくなるのか
- 図書館で本を借りて、本が買えるポイントが付いてよいのか
まー、上記の3つってちょっと感情的というか、巨大マーケティング企業TSUTAYAに対する反抗ってのが大きいと思うんです。
僕は、もう少し淡泊にビジネスの視点から考えて、以下の2つがよく分からない。
順を追って説明しますね。
なんで武雄市って、こんなに費用掛かってるの?
武雄市の図書館運営費は1億4500万円。これ、武雄市の人口で割ると、なんと2900円/年
日本の平均では、ちょっと古いデータでは225円/年 なので、なんと10倍。
それだけ、文化に力を入れてると言えばそれまでなんだけど、やはり費用が掛かりすぎているように見えます。
館内の人員が24人ってのも、ちょっとドヒャーって感じ。
委託される業者がTSUTAYAで適材適所なの?
これ、もっとよく分からない。
大学の図書館を運営している丸善・図書館流通センターとかなら、まだわかるんですよ。
でも、TSUTAYAですよ?小売業ですよ?
おそらく、図書館運営の業務ノウハウというより、Tポイントが使える&カフェとの併設&雑誌や文具の販売などのTSUTAYAの手口を応用しての図書館の利用者拡大というのが狙いなんじゃないだろうか。(運営費はたった1割の削減って言ってるし、たいしたことない)
でも、それって「さまざまなサービスが享受できる図書館」というより、「本も借りられるTSUTAYA」になってしまうよなぁ。それでいいのかな。
というのは、TSUTAYAって、「本の見立て、本を見せる空間設計」がうまいかっていうとそうでもないと思うんですよね。代官山蔦屋を見てもわかるように、「なんとなくおしゃれ」なんだけど「本を分かってない(空間の使い方 等)」感が強い。そもそも、本屋が代官山にあること自体、違和感がある。
まぁ、そういう生理的な部分で、今回のニュースは「えーーー、センスねぇな」と思った次第です。