右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

これって、フェアトレードはフェアトレードらしく頑張れ というだけのことだろうが。

なんか、NPOやら、フェアトレードやら、議論しがいがあるネタが転がってたので。

まずこれが話題の発端。


この絵、学校教育としてきちんと伝えるべきだと思う。
突き抜けないとこの絵の底に溜まったコーヒーしか飲めないよ、ということを。
コーヒー農家に限らず「一般的」な世界ではプレーヤーが違うだけで、個人に還元される利益はどこも同じような構造だと思うので。
俺はこういう構造に気付くまで多くの時間を要してしまったけれど、気が付いてからは違う目で世界を見ることができるようになったから。
こういうことを知ってるか知らないかだけで人生は大きく変わると思うし、少しでも若いうちにこういうことに気付き、自意識の高い人が生まれたら嬉しいな。

で、こちらに対して、やまもといちろう氏が反論
数字をきちんと読めない人がフェアトレードとか言い出すと大変なことになるかもしれない(メモ): やまもといちろうBLOG(ブログ)


で、小松原織香さんがやまもといちろう氏に再度反論。
グローバル化した市場の問題を無視したフェアトレード批判を始めると、大変なことになるかもしれない(メモ) - キリンが逆立ちしたピアス


という流れ。
まー、自意識が高いって何?とかよく分からないことだらけなのですが。


まず、この絵のコスト構造分析は、やまもといちろう氏の言うとおりだと思います。

でもこれ、結論からいうと、「お前が飲んでいるコーヒー代というのは店舗の不動産賃貸代であり内装費用であり運搬費用でありブランドビルディングのための広告宣伝費でありバイトの雑給であり社員の人件費なのであって、常に代替需要に晒されている外食業界というのは構造的にそうなる宿命であり、仕入原価よりも問題とすべきはお前の座っている椅子やテーブルの時間貸しの性質であり、お茶などその店に立ち寄る口実に過ぎずテイクアウトはお前にとって根本的に損」という話で、フェアトレードとか搾取を喰らうコーヒー農家がクズだという話からはメカ次元の彼方にある議論だろうと思います。


つまり、コスト構造分析をした結果、「原価ってめちゃ低いのね」という感想を持ったのであれば、それは正しいわけです。あ、これって、化粧品の原価が1円とか、そういうのと殆ど同じ議論ね。


でも、それがフェアトレードに繋がっちゃうとよく分からない。

小松原さんいわく、この図の問題点は2パターンなわけです。

  • そもそも、3円〜9円って適正なの?コーヒー農家がちゃんと暮らせるようなお金は払おうよ
  • エチオピアとかの小規模農家は、毎年の価格変動についていけない。ブラジルの大規模農家しかやっていけない。それでいいの?


極論して市場論理だけで突っ走れば、「強みものが勝つ」「いやなら、作ってもらわんでもいいのよ(それでも、本当に必要とされるなら、価格が上がるからさ)」なんだけどさ、そこに入り込む義理人情に対してコストを上乗せする、まさにそれがフェアトレードだと思うわけです。


これは「フェア(あなた自身が決めてね)」じゃないですよね?だから、もう少しギブミーマネー


フェアトレードだからこそ共感できる」「フェアトレードのものを買ってること自体がかっこいい」という付加価値を付けて先進国に売るというマーケッティングを頑張りましょう、まさにフェアトレードをきちんと広げましょう、 そういう話なんじゃないかな。