コンバージョンについて考えてみた
インターネットビジネスでは、
- そのコンテンツを目にしたユーザはどれだけか(PV、imp)
- 上記ユーザのうち、そのコンテンツが意図するアクションをとったユーザはどれだけか(コンバージョン率)
というのが二大指標です。
このうち、後者のコンバージョンというものを考えたいと思います。
一般的に、検索連動型広告などのコンバージョンは1〜数パーセント。宣伝付きのメールを送った時のコンバージョンは0.1〜1%程度。紙の販促物や駅貼りの広告は、更に桁が下がって0.1%程度です。
この「そのコンテンツが意図するアクションをとったユーザ」というのはよく考えると2つの要素に分解できると思います。
そのコンテンツの意図するところを、自分の置かれた文脈・環境の中で理解できたか?
駅貼りの広告然り、検索連動型広告然り、ユーザが能動的に探した情報ではない情報の場合、そもそも目に触れたとしても、その意図を正しく理解されないことって往々にしてあるかと思います。また、頭で理解できても、何か、自分の中で引っかかりがないと、スルーしてしまうものです。
つまり、「市場・サービスへの興味関心度(市場性)」や「その広告・販促の分かりやすさ」というわけです。
理解した後、アクションに繋げたか?
そして理解した後のハードルがこれです。駅貼りのコンバージョンが低いのはこのパラメータに起因しているかと思われます。例えば、見知らぬ化粧品の駅貼り広告があり、広末涼子が宣伝に使われ、どうやら30代前半の女性のための化粧品らしいと分かったとします。あなたがどんぴしゃのターゲット層だったとしても、その後、その広告を覚えておいて、化粧品を購入するタイミングでそれを思い出すというのは、とてもハードルが高いに違いないですよね。
つまり、「訴求タイミングとアクションのタイミングのズレ(それによる、訴求度低下)」や「(覚えていたとして)サービス自体の訴求力(競合との差別化)」が肝となるわけです。
こう考えると、検索連動型広告の数パーセントのコンバージョンは、以下に分解できます
- 「市場・サービスへの興味関心度(市場性)&分かりやすさ」は、まさにそのキーワードに対して興味があったということを考えればほぼマックスに近く、数10パーセント〜100%
- 「訴求タイミングとアクションのタイミングのズレ(それによる、訴求度低下)」も、まさにそのキーワードに対するアクションを取ろうとしているときであれば100%に近いはず。ここからは、数個の競合サービスと比較されることを考えると、やはり10パーセント〜100%
これが、いわゆる広告のマックスのコンバージョンでしょう。
ここから、例えば、宣伝付きのメールは、「市場・サービスへの興味関心度(市場性)&分かりやすさ」が10分の1程度になると思いますし、駅貼りは更に「訴求タイミングとアクションのタイミングのズレ(それによる、訴求度低下)」で10分の1程度になってしまいます。
どの広告・販促も、だいたい、この3つのレベル感に落ち着くと思うのですが、それぞれにポイントがあるわけですね。
- 検索連動型広告=競合サービスの数
- 宣伝付きメール=メール受信者の興味とその宣伝とのマッチ度
- 駅貼りや販促物=訴求タイミングとアクションのタイミングのズレを如何になくすか
Felicaでタッチするだけでクーポンが貰えるなどは、うまく訴求タイミングとアクションのタイミングのズレをなくしている例と言えるんじゃないでしょうか。