データからモノを考えることの奨め
若いビジネスマンには、データからモノを考えることを強く奨めてます。
データでモノを考えるとは、何も事業部の週報のような細かな数値をExcelでいじくりなさいということではありません。
例えば、本を販売する我々のビジネスで言えば、
- 消費者は、どれくらいの頻度で、何冊くらい本を買っていて
- それはどのような本屋やインターネット通販で買っていて
- そこから、仕入原価(80%)や送料(5%)や決済手数料(5%)を差し引いて
- 最後に人件費の割り当て分(9%)を差し引くと利益がのこる
ということであり、何処のパラメータがどれくらい利益に影響があるかという数式が出来ますよね。何も小難しい数式ではなくて、掛け算と足し算と引き算だけなわけですが。
そうすると、なんかやってる感だけはある書店のフェアをやって前年比105%と喜んでいるのと、地味だけども仕入れ価格や決済手数料が1%低減できることがずいぶんわけが違うことが分かるはずなんです。前者の利益インパクトは0.05%(5%×1%)であり、後者は1%なわけなので、施策としては20倍意味合いが違うことになります。
施策の意味合いを仮想で良いから、数値で置いてみて考えるというのは、ビジネスの感覚を養うのにかなり有効と思ってます。
また、もう一つの利点。
それは、若手が唯一、付加価値が出せるツールという点。
経験者は、上記のようなパラメータを直観として持ってます。それに打ち勝つには、「事実」と「そこからの確かな推論」をベースとして突きあげるしかありません。それが出来ないと、すぐさまオペレーター(言われたことをやる)に成り下がってしまうから注意が必要です。