この3年くらいで最もドックイヤーを付けた本『サピエンス全史』
この3年くらいで最もドックイヤーを付けた箇所が多い本です。
ずいぶんとブログは久しぶりですけど、この本を紹介するためだけに、久々に重い腰をあげたくらい。
- 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/09/08
- メディア: 単行本
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特に強烈に面白かった3つのポイントだけ記載する。
- ネアンデルタール人のDNAは最大で4%程度しか含まれていない。これは認知革命により、ネアンデルタール人はホモサピエンスに入れ替わった証拠である。
- 社会的動物である証拠の噂話も150人を超える集団では通用しない。それを超える集団を束ねるには、神話などの「虚構」が必要。それがあるからこそ、赤の他人とも協力することができた。加えて、その神話は即座に変更可能という点も重要。それにより、1対1では、ネアンデルタール人に敵わなかったとしても、数百人で何度も立ち向かって、「いつかは」勝てたのだ。
- 知能があがって危険な狩猟採集民から安全な農耕民になったわけではない。贅沢の罠から抜け出せなくなっただけ。
- 農耕民のほうが仕事はきついものの、多く働けば安定した暮らしを得られると思った。
- 実際に、単位面積当たりの養える人が増えた。ただし、その分、子供が増え、一箇所で暮らすことになったために感染症に悩まされるようになり、財産が出来たためにそれを守るための争いも増えた。結果的に、新たな悩みが出てきただけで、幸せになったとは言いにくい
- 近代は経済が発展しパイが拡大するということが信じられてなかった。だから、金貸しがいても高金利だった。人類は「科学」という武器を手に入れ、経済が発展しうるということを実感しだしたため、まだ存在していない財をお金に換えることに同意する「信用」に基づく経済活動がなりたつようになり、人類全体の資産が飛躍的に増加した。
- Aさんの仕事の報酬100万円を銀行に預ける。銀行は、(預かった100万円を元手に)Bさんの起業に100万円融資する。BさんはAさんに仕事を頼み報酬として100万円を支払う。するとAさんの口座には200万円振り込まれていることになる。これは、Bさんの起業というまだ価値が生じていない未来に100万円投資をすることで、見掛け上、資産が増えることになる。