ターゲットは「みんな」
電子書籍の市場動向を考えるために、まずは、ターゲットを決めましょう。そうですね、30代男性・大手企業に勤めるサラリーマンとして、ペルソナ分析をしてみましょう。彼は、通勤時間に週刊ダイアモンドと日経を読みます。小説は坂の上の雲を読んで以来、あまり読んでないみたい。たまに、ジムで汗を流して、週末は合コンに行ったり、ゴルフに行ったり。なので、本を読むのは通勤時間くらいというイメージですね。
こんな風に分析を行って、何か意味のある示唆が出てきたためしがないです。
分析のための分析というか、やってる感は残るけど、何か行動に繋がる示唆は出てきません。
なぜなら、二つの意味で間違っているからです。
- ペルソナ分析で語られる「ありきたりなサラリーマン」は実はありきたりではない。
- そもそも、ターゲットを決めることが大前提になっている
今回は、後者のほうのお話です。
僕の尊敬する大学時代の恩師の佐藤雅彦さんは、以下のように言っています。
「人間は、ひとりひとり違うことは誰でも知っています。ある特定の人にうける音楽も、
他の人にはうけないこともある。そんなことは当然です。でも、僕が興味を持っていることは
そういうことではありません。年代や性別や職業の枠を超えて、
みんなが喜ぶ商品や表現です。」その答えは、テーマ曲「星に願いを」が教えてくれる。
星に願いをかけるとき、
人に差別はありません。
心に願う望みはすべて、
あなたのものになるでしょう「人は誰しも夢や理想を掲げることができる」・「願いは思わないと叶わない」
本当に優れた商品は、分け隔てなく、人を幸せにしてくれる。
国籍や年齢や貧富の差を乗り越え、誰からも愛される商品になる。
つまり、ターゲットは「みんな」なんです。
考えてみれば、ビートルズも、ディズニーランドも、そして近頃のAKBだって、ターゲットなんて決めてないわけです。誰もが楽しめる、それが優れた商品・サービスの証左だと思いませんか?
そんなこと言ったら、サボってるみたいでしょうか?
やっぱり、もっともらしい「30代ビジネスマン」とか言いたいですか?