右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

Twitterは出会い系ではなく出会う系なんだな『情報の呼吸法』津田大介

今日は津田大介さんの本に初チャレンジ。
ソーシャル関連は、ある程度なじみがあるためか、はたまたこの本の内容が薄いからか、40分程度で読了。

情報の呼吸法 (アイデアインク)

情報の呼吸法 (アイデアインク)


感想は、

  • ああ、確かにいままで僕はTwitterFacebookmixiのように使っていたかもしれない
  • TwitterTwitterの特性を生かした使い方をせねば

というもの。

順を追って説明します。

まず、津田さんの情報の定義が面白いです。

人々が動き出すきっかけを与えるもの。人をドライブさせるためのエンジン。当然、その先に行動や変化があることが大前提です。

そんな彼は、ナップスターに衝撃を受けるんです。

今までは入れ物に入れてお金を取っていたコンテンツに対する価値観は変わっていく。安くなるし、便利になる。情報がデジタル化することで既存の情報ビジネス−マスメディアやコンテンツビジネスの構造は激変する。

つまり、情報との接し方の根本が変わる息吹をナップスターに感じたわけですね。
で、彼はTwitterをどのような情報取得ツールと捉えているかというと、

同じ業界でできれば同世代の人をツイッター上で見つけて、全く知らない人でもフォローしてみる。抱えている問題意識が近く、時代に対する焦燥感も共感できるので、そういう人が投げかけてくる何気ない情報が大きくヒットするということだ。昔は「情報選び」は「媒体選び」だったけど、ソーシャルメディアの時代になって「人選び」になったわけだ

という言葉にあるよう「情報を自分にカスタマイズする」ツールとして考えている。
と同時に、

興味ある情報が特集されている雑誌を買ったら、求めているのとは違う小さなベタ記事で興味をそそられる情報を知ったり、CDショップや本屋に行ったらお目当ての商品ではなく、店頭のPOPで気になった商品と出会ってしまって買うことがある。そういう「誤配」がツイッターには適度に混じっているからいいのです。極端な話、ブロックしている、あるいは嫌いだからフォローしないという人のツイートも公式リツイートで入ってきたりする。自分の考えとは違う意見や他の視点が入ってくるのが避けられない構造になっている。

という言葉にあるよう「予期しない情報がハプニング的に入ってくる」ツールとしても考えているわけです。

たぶん、そもそも何故Twitterが面白いか?という根本思想になるわけですが、津田さんの情報との付き合い方・接し方が垣間見れる次の言葉は、ステキです。

そもそも「自分の考え」なんて結局はよく分かっていないヒトのほうが多いわけです。なんとなくこれには違和感がある、なんとなくこれはスキだなぁという漠然とした感情を持っていて、それをツイートしてそれに誰かが反応してくれるのを見て、「ああ、自分はこういうことを考えてたのか」と初めて気づく。自分と違う人、似た人の考えに触れることで「自分の考えの輪郭が浮かび上がる」それもツイッターの面白さです。そのためにもある程度多角的に人をフォローしたほうがいいんです。ツイッターは出会い系ではなく出会う系なんです

以前に読んだ、「閉じこもるインターネット」は、まさに「自分が何気なく検索したものに引っ張られてしまい(最適化してしまい)、蛸壺化してしまう」恐ろしさを述べてますが、それを打開する一つの解決案が、Twitterの有効活用だと思います。たぶん、それを直感的にわかっていての上記の言葉なんだろうな と思いました。

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

で、最初の感想にもどるんですが、ついつい安易なフォロー返しをしてしまい、知人だけで固まったTLを眺めてしまってる僕ですが、そのような使い方はもう辞めようと思った次第です。そのようなツールはFacebookだけで十分だからです。


あと、余談ですが、津田さんは、最後のほうで、マイクロペイメントみたいな話もしています。人を応援する仕組みってもっとできればよいなぁと常日頃思っている僕としては、ここを掘り下げて考えていきたいと改めて思いました。

フェイスブックの「いいね!」のとなりに「10円送金」が付いていたらどうなるでしょうか。面白いことをしようとしているひと、困っている人を助けようとしている人、社会を変えようとしている人に資金が移動して社会変革の実現速度が加速していくと思います。多くの人を動かす力を持っているソーシャルメディアが人々の善意をマネタイズする送金のプラットフォームとなり、社会を変えるためのエンジンになるということです。実際にツイッター社はマイクロペイメントの会社を買収しています。