右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

粛清はコンプガチャ禁止だけで終わるのか?

コンプガチャ禁止については、とても興味があり、あれこれ考えていたので、ブログに書くのがすっかり遅くなってしまいました。


コンプガチャというのは、以下のような仕組みで紹介されてます。
「コンプガチャ」ショック 成長企業を直撃…時価総額2千億円が消滅 (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

この絵、実に巧妙。

支払いが一部無料であり、希少カードを手に入れるのが数十万円掛かる ということに論点を誘導しています。こちらの「意味合い」は後ほど述べますね。

直接的には、今回、景表法に引っかかるとの疑念があったのは、複数のカードを揃えないとレアカードが取得できないというところ(「コンプリート」ガチャの所以ですね)

その件に関しては、「懸賞制限告示5項」を参照すれば分かりやすいです。以下のページに簡単に解説してあるので、引用してみます。

当たり券3種類そろうと応募できる懸賞は可能か?|JARO 日本広告審査機構

Q 価格が100円のピンク、ブルー、グリーンの三つの色違いの商品で懸賞を検討している。それぞれの商品の中に各色の「当たり券」が入っており、3色の「当たり券」がそろうと応募できる懸賞を行いたいが可能か。

A この手法は、「カード合わせ」「絵合わせ」と呼ばれる2種類以上の異なる附票(当たり券)を特定の組み合わせで提示させる懸賞の方法である。この懸賞の方法は、昭和52年に公正取引委員会の告示改正に伴い全面禁止となり、以降の改正でも全面禁止とされている。(懸賞制限告示5項)

 懸賞の方法が禁止となった背景には、かつて、子供たちに人気のあったプロ野球選手やアニメーションのキャラクターのカードを集めると景品類がもらえるといった懸賞が爆発的な人気を呼び、カード欲しさに商品を買い続けることに親から苦情が多く寄せられたことや、特定カードの枚数を制限してカードを集めにくくするなど、企業側が不正行為をする可能性が指摘されたことがある。

 これを受けて公正取引委員会は、こうした懸賞の方法に対し、(1)それらが主に児童向けの価格の安いものに利用されるものであること、(2)児童の射幸心をあおるものであること、(3)すぐに当たるような気持ちにさせる方法であるため、懸賞の方法自体に欺瞞性が高いことや、児童は大人と比べ判断力が十分でないことなどに配慮し、このやり方自体を全面禁止した。

 2種類以上の附票を用いたものでも、「絵合わせ」に該当しない懸賞のやり方もあるので、詳細は、消費者庁の「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準」を参考するのがよいと思われる。


では、何故、コンプガチャ禁止で「チョコボール」の金・銀のエンゼルは禁止にならないのか? という問題がある。以下のブログでは、1種類のエンゼルを集めてるから許容されているのではないか? という指摘。

何故、コンプガチャ禁止で「チョコボール」の金のエンゼルは禁止にならないのか? : Blogで本を紹介しちゃいます。


でも、金・銀・胴の3枚集めたら景品 という仕組みと、銀を3枚集めたら景品 という仕組みは本質的には変わらない はずである。


では、どうしてコンプガチャだけが粛清の対象となったか?
それは、「目立っているから」である。コンプガチャの記事も、本来はそこは論点ではないのに、「支払いが一部無料であり、希少カードを手に入れるのが数十万円掛かる」ということを強調していたよう、世論的に、「お痛が過ぎた」という判断が下ったのだろう。


ちなみに、僕がはまったビックリマンチョコも、同じような憂き目にあっていたことをいまさら知った。

このブームが衰え始めた原因は、公正取引委員会による勧告とみられている。公正取引委員会は1988年、ロッテに対してシールの価格差を無くす、種類毎の混入率を均一にする、特定のシールに価値が出るような広告をしない、という3つの自粛案を出した。ロッテはこの指導に従い、全シールの価格差を3円前後に抑え、ヘッド、天使、悪魔、お守りの割合を25%均等に振り分けた。そのため今までキラキラと光っていたホログラム仕様のヘッドは地味なシールとなり、ヘッドが当たる確率は悪魔と同じ割合にまで引き上げられた。当然の結果として、レアカードであったヘッド、ひいてはカード全体の価値が暴落し、一気にファンが離反するという事態となった。


ビックリマンチョコなり、ソーシャルゲームのガチャガチャなりに共通しているのは、「同じようにカードなりを集めている仲間への優越感」が大事であるということ。上記のように「確率が均一」になってしまったら、そりゃ、魅力はなくなるわな。


ビックリマンチョコを見ればわかるけど、今回の粛清は「射幸心を煽りすぎた」コンプリートガチャが対象になったわけだけど、普通のガチャだって、対象になる危険性は十分にある。


ロジック云々ではなく、「目立ちすぎ」は叩かれるということか。