右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

きになっちゃうなぁ、東京チカラめし。

東京チカラめし という牛丼チェーンのことが最近気になってます。
出店の勢いは激しく、瞬く間に50店舗を越してます。
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金の蔵で有名な、三光マーケティングフーズが経営をやってるんですが、なんで気になるかというと、絶対儲かるはずないのになんで好調なのか分からない からです。

まず、商品としての特徴は、「焼いた牛丼」であるということです。
確かにうまいんです。


ただし、ファーストフード店である以上、「顧客の回転率」というのが肝であり、提供時間が普通の牛丼屋が数十秒〜1分なのに対して、どうしても焼くという作業が入り3分〜5分掛かってしまうというのは致命傷です。
オープン当初のインタビューを引用します。

この焼き牛丼を開発したのは、「肉は焼いたほうがうまい、というのが一番の理由。日本でも欧米でも肉は焼いて食べるのが一般的だが、なぜか牛丼は肉を煮るのが当たり前になっている。だったら焼いた牛肉を載せた牛丼があってもいいのでは、と考えた」(三光マーケティングフーズの平林専務)という。

 外食業界で新しさを前面に出したメニューが日々生み出されるなか、焼き牛丼が注目を集めるのは「肉は焼くとうまい」というわかりやすさが大きいだろう。まさに“ありそうでなかった商品”で、逆になぜこれまでなかったのか不思議に思えてくるほどだ。

 「煮る牛丼は数秒で出せるが、焼き牛丼は注文を受けてから焼けるまで3分はかかるし、全員が肉を焼けるように教育しないといけない」(同)。既存の牛丼チェーンが客の回転率を高めて低価格を実現していると考えると、「焼く」という作業は非常に面倒で効率が悪いのだ。

 やはり最も苦労したところは「注文を受けてから焼く前提で、どうやったら早く提供できるか」だったという。オープン当初は提供に10分程度かかって「遅すぎる」とクレームを受けることもあったが、現在は注文を受けてから3〜5分程度で提供している。ただ注文してすぐ出てくる大手牛丼チェーンと比べるとその差は歴然で、今後も提供時間のスピードアップを図っていくという。

顧客回転率が圧倒的に低いなら、単価が高いのかと思いきや、焼き牛丼は一杯290円です。
じゃあ、一杯あたりの原価が安いのかと思いきや、週刊ダイヤモンド(2011年11月26日号)ではこう述べられてます。

もともと、平林社長は1975年から三光亭という牛丼店を一時運営していたことが
ある。いわば原点回帰なのだ。「居酒屋業界では新ジャンルは急拡大しても、ブー
ムは終わる。しかし、ファーストフード業界はもはやインフラになっている。自分も
インフラに身を置きたい。今後は資金をすべて牛丼事業にシフトする」と決意する。

課題は、手間と原価率の高さだ。オープン価格として期間限定とはいえ、焼き牛
丼を280円で提供している。他の牛丼店があらかじめ煮てある具をさっとご飯の上
に載せるだけなのに対し、東京チカラめしは、注文を受けてから焼き始めるため手
間がかかる。さらに、同店の肉は驚くほど多い。平林社長自身、「特盛りは引っくり
返るほど大きい」と表現するほどで、丼はバケツのような大きさがある。卓上のショ
ウガは、寿司屋で出すような高級なものだ。原価率が50%に迫ると見る業界関係者
は多い。


儲かる要素が、一切ない。
儲からないという現実を前に、「美味しさ勝負」だけで立ち行かなくなったとき、どう方向転換(妥協する)のか、そしてそれが顧客に受け入れられるのか が見ものです。


ちなみに、2chやウィキぺディアを見ると、最近は「焼き置き」してるみたいですね。これも、妥協の一つかと。