右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

電子書籍と書店の麗しき関係について

書籍流通を行う、取次大手のトーハンが3日、デジタルコンテンツの店頭販売システムを開発したことを発表したとのこと。このニュースに対しての反応は、「面白い」というものと「電子の意味がない」というものの両極端だったようだ。

電子書籍の店頭販売はナンセンス? 有意義? 電子時代におけるリアル書店の意義とは | nelja


この記事の主張は、以下の通り。

電子書籍なのに書店で売るなんて馬鹿げているという主張は正しい。全国どこでも、ユーザーの好きなときにすぐ本を買えるのが電子書籍の優れたところだからだ。しかも売り切れがない(=入荷数の違いがない)のだから、ますます書店を渡り歩く意味はない。

だが、「何か面白い本はないか?」と思っている人にとって、オンライン書店は不便だ。購入履歴などからオススメを割り出したりはしてくれるが、傾向分析からはなかなか「自分にとってまったく新しいジャンル」の作品などは提示してもらえない。売れ行きが加味されていることもあってか、すでに知っている作品ばかり薦められるということも多い。書店は本を買うところであると同時に、書籍の見本市でもある。書店員が選んだオススメ作品や、普段自分が読まないジャンルの作品などがずらりと並べられ、目に入ってくることもある。書店は「知らない本を探す場所」であり、この点ではオンライン書店を圧倒しているといっていいだろう。知らない本を探すことに慣れ親しんだ人からすれば、書店で電子書籍が買えるのは面白い試みだ。今までどおり、書店で知らない本を探し、知らない本を買える。しかも、大量に買っても重くない。ちゃんとメリットがあるのだ。

この主張は、しごく頷けるものの、大きな目新しさはない。

僕は、この主張に加えて、そもそも書店で驚きを得にくくなってないか?という視点が必要と思っている。

つまり、昔であれば、その書店のコダワリが見えていたのだろうが、あまりにも毎年発刊される新刊が多いため、書店員も「ただ、並べるだけ。売るだけ」になり、本のプロではなくなってきていると思っている。加えて、出版不況ということもあり、良い人材が流入してこないという構造的な問題もあるだろう。


となると、分かりやすい本のプロが居ない現状では、「周りの友達が勧めている」「知らない人だけど、自分と本の趣味が近いから、その人が買った本を買ってみる」という、いわゆるソーシャルな機能が重要になってくるだろう。そうなるとやっぱり、インターネットなわけですよ。


纏めますが、僕は、このブログの筆者がいう書店の機能が本の見本市という意見には賛成であるが、驚きを与えてくれる場所と言う観点からは、機能が損なわれてきていると思っている。そこを補うのは、ネット上の新たな本のネットワークであると思うのだ。

蛇足になるが、yahoo!バザールなど、C2Cのビジネスを作っていこうという流れは見えますね、最近。
ECサイト「Yahoo!バザール」公開へ 個人が出品、固定価格で売買 - ITmedia NEWS