右、斜め45度

右斜め45度は、「Done is better than perfect!」の日本語訳のつもり。進んでいれば良しとする精神を大事にしたい。

ビックデータが今すぐ効く分野/効かない分野

久々の投稿です。仕事にあけくれてました。

最近は、SUICAの利用履歴を見てマーケティングに生かすとか、ビックデータ、マーケティング関連でいえば、筋が悪い(結果が出そうにない)なぁと思うものばかりでしたが、久々に筋が良いなと。

日本IBMは16日、ビッグデータ解析で工場の設備などを保守管理するシステムを開発し、発売したと発表した。設備などに取り付けたセンサーから測定データを集めサーバー上で解析、故障などを事前に予測できるようにする。生産停止に追い込まれるリスクを減らす技術として大規模な工場や発電所に売り込む。

専用のソフトウエアをサーバーに入れ、ネットワーク経由でセンサーから設備の稼働状況や震動、温度など様々なデータを集める。データを定期的に収集すると、例えば「設備の震動がいつもより少し大きい」など故障の予兆となるような異常を早期に見つけることができるようになる。

ソフトの価格は約3900万円から。導入前のコンサル費用やサーバーやセンサーなどの機器の費用は別にかかる。ビッグデータの解析では顧客の購買動向を分析したり、自然災害を予測したりするなど様々な分野で活用が進む。

マーケティングにおいて筋が悪いなと思う理由は、まだ今の技術では、「買いたい!欲しい!と思う感情と相関があるような詳細データまで数値化できていない」からです。SUICAの利用履歴は単純に「どの駅を」「いつ利用したか」のデータであり、そんなものは分析をするまでもなく、「おおよそ通勤している区間が頻度が高く、土日に近くの大きい街に出かける」くらいしか分からないわけです。まー、ここの駅の30代の男性住民は渋谷に行きやすいとか、その程度ですよ、きっと。そんなものはヒアリングを2、3人にすれば分かるわけで。全購買履歴、WEBの全利用履歴、細かい行動が全てデジタル化しないと、新しい示唆を得るのは厳しいと思ってます。


一方で、記事にあるような工場の故障の予兆データは、温度なり、振動数なり、取得可能なデータです。おそらく、あとはセンサーだけの問題だったんだろうと推察されます。しかも、機械相手なので、イレギュラーが人間相手よりは少なくビックデータの結果が適用しやすい。


とここまで書いてみて、ビックデータが適用されやすいものとされにくいものの違いが分かりました。
マーケティングでのビックデータの活用のようにビックデータ分析により新しい知見を発見することは相当大変ですが、工場の故障データ予測のように、既に相関・原因・関係性がある程度見えている事象についてビックデータ分析により網羅的な相関関係を得る、またセンサーによっていち早く異変を察知する というようなどちらかというとデータ取得の部分に価値が置かれたモデルは、いまでも十分に成り立つのではと思います。


学生のころからビックデータをやってましたし、信奉者ではあるんですが、近頃の何でもかんでもビックデータの風潮(PONTAのデータを使ってどーの とか。)は、あまりにもバカの一つ覚えのようでヘキヘキしてました。なので、久々に筋がよくてウキウキしてます。